「DX」や「リスキリング」という単語が現れて久しく、筆者も約1年ほど前に以下の記事を投稿しました。
非IT人材がリスキングしてIT人材になるために役立った資格
人的資本開示、23年3月期から大手4000社対象 からも企業が選ばれる条件としてリスキリングの要素はさらに強まっていくと考えます。
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ITの要求レベルが上がってきた
資格の面で言うと、ITパスポートに関しては、 多くの企業でITパスポート試験が採用や社員教育に活用されています。 とあるように従業員教育への浸透は深まっているようです。
筆者もITパスポートを取得したことで、ITに関する知見が確実に高まったかと思います。
ただ、この記事のタイトルの通り、一歩先のDX人材、つまりは具体的にITを活用して実務的な成果を上げようとするとなると、ITパスポートだけでは物足りないと感じるシーンも多くなってきたと思います。
その理由としては、「DX実践が世のスタンダードとなり、実務として求められる要求レベルが上がってきた」ことがあるように感じます。巷では、
DXの扉~中小企業が創るビジネスの未来~ 老舗旅館の女将が挑んだDXとは
といった記事が溢れ、上層部から「うちも可視化しよう」などと言われている方も多いのではないでしょうか?
実現手段としてのツールは世の中にたくさんありますが、インフラや予算、費用対効果を踏まえて自分達に最適な手段を講じるのはなかなか骨の折れる作業です。
例えば、会社でよくあるパターンとしては、あるツールを導入したいがセキュリティ上イントラネット上に環境を構築したいと言った例です。
ITパスポートの学習からイントラネットが何かという点を言葉では説明できるかと思いますが、では実際に環境を構築するとなると戸惑うかと思います。
筆者も数年前の非ITエンジニア(カスタマーサポート)時代に、自社サービスのIT環境を整えたいと思った時に困った経験がありますが、あらゆる職種にDXが普及した現代では同じ悩みを抱える方が増えたのではないでしょうか。
一歩先のリスキリング
筆者としては自身の経験から「応用情報技術者」の学習をオススメします。
IPA(情報処理推進機構)では資格レベルとして1〜4に区分されますが、ITパスポートはレベル1、基本情報技術者はレベル2、応用情報技術者はレベル3に該当します。
なぜレベル1のITパスポートから2段階upのレベル3の応用情報技術者をオススメするかと言うと、それは主に午後の筆記試験における出題分野が異なるためです。
試験要項 から午後試験の出題範囲を抜粋すると以下になります。
基本情報技術者試験
1 プログラミング全般に関すること
2 プログラムの処理の基本要素に関すること
3 データ構造及びアルゴリズムに関すること
4 プログラミングの諸分野への適用に関すること
5 情報セキュリティの確保に関すること
応用情報技術者試験
1 経営戦略に関すること
2 情報戦略に関すること
3 戦略立案・コンサルティングの技法に関すること
4 システムアーキテクチャに関すること
5 サービスマネジメントに関すること
6 プロジェクトマネジメントに関すること
7 ネットワークに関すること
8 データベースに関すること
9 組込みシステム開発に関すること
10 情報システム開発に関すること
11 プログラミングに関すること
12 情報セキュリティに関すること
13 システム監査に関すること
基本情報技術者がエンジニア向けの内容に特化していることに対し、応用情報技術者は戦略や監査といった分野にまで試験範囲が及んでいます。
私としてはDXを推し進めるためには、幅広い素養があった方が良いと思ったため、応用情報技術者を学習した方が良いと考えています。
午後試験は筆記試験ということもあり、マークシートのように何となくの知識では解くことができないため、午後試験を理解した上で解くことができれば相当の力がついていると言えると思います。
応用情報技術者試験がどのように実務に役立つか
応用情報技術者試験の午後試験で得た学びがどのように実務に役立ったかの経験談を書きたいと思います。筆者は令和元年の秋期試験で合格したため若干古い問題であることをご了承ください。
以下は平成25年秋期の午後におけるネットワークの選択問題を抜粋したもので、ネットワークの障害調査を行う内容です。
昨今ではシステムのクラウド化が進んだことで、ネットワークが無ければ仕事にならない状況です。
そのような中、実務の中でもインターネットに繋がらない、見たいページが見れない、他の人は見れるのに自分のPCだけネットに繋がらないといった経験をした方も多いかと思います。
上図の中には、プロキシサーバ、DNSサーバ、ドメイン、ルータといったネットワーク関連の単語がずらずらと出てきますが、おそらくマークシート式の問題を解くだけではこれらの機能がどのように関係するかイメージしづらいのではないでしょうか。少なくとも私は全くイメージできませんでした。
この試験問題の解法を理解することで、ベーシックなネットワーク構成を頭にイメージできるようになりました。結果、実務においてネットワークのトラブルに遭遇した場合にも、原因の切り分けやトラブル解消を迅速に行えるようになりました。
応用情報技術者試験の学習法
午前についてはマークシートのため、特別な対策は必要ないと思います。ここでは午後の筆記試験について私が合格に有効だった対策を述べます。
結論としては スタディング + 極選分析 応用情報技術者 予想問題集 が有効だと考えます。
スタディングの良い点
・午後問題は順々に解法ロジックを処理して最終的な解法を導くが、スタディングはこの解法を動画で説明してくれるため理解しやすく頭に残りやすい。
・セレクト過去問として重要な過去問に絞って効率的に学習できる。
・動画が細切れで収録されているため、スキマ時間に集中して学習できる。
・模試が用意されている。
・下図のようにキャンペーンによる割引や合格者へのキャッシュバックがある。
※ 期間限定のため注意
演習量を予想問題集でカバー
・過去問と模試だけの繰り返しだと内容を覚えてしまい演習不足を感じたため、
極選分析 応用情報技術者 予想問題集 で補強しました。
オリジナルの予想問題として必須のセキュリティが全5問、選択問題が3〜4問あり、十分な演習が可能です。
結論:応用情報技術者の学習をオススメする理由
・社会の中で要求されるITレベルが高まってきた
・幅広い分野におけるITの素養を獲得できる
・特に午後試験は実務に直結する応用力を高めることができる